「―――レオ・フレイムス。我々の目的、ズバリそれは......」
アイザックはワザとらしく一息を置いた。
「―――それは......?」
「現帝国政権、及びレイシス教会の滅亡だ」
アイザックがその言葉を語ると、レオはその事の壮大さに瞳孔を見開く。
「......要するに、この国を滅ぼしたいと......?」
レオは息を呑むようにそう言った。
「まっ、そういうこったな」
アイザックはさざ簡単に、そういう返答をする。
「―――それは、なんていうか。崇高な目標だな。だが理解は難しいなアイザック。俺には国に世話になった経験ってのはないから分からねーが、少なくともあんた達は国に仕え、愛国をもってその地位に就いてるわけなんだろ。いいのか、そんなことして。背後には引き入れたもっと沢山の部下や家族がいるだろ」
レオはそう、鋭い眼光でアイザックに視線を放つ。
「ふっ......だからだよ、このまま教会の我儘を放置していれば、何れ我々が何もしなくても勝手に滅びる。最悪の形でな、だからせめて、我々の手で終わらせてやろうってことなんだよ。だがこれでも、大分手遅れになりつつあるような状況だ。もう既に無謀にも共和国軍相手に戦争をおっぱじめ、もう既に滅亡まで片足を突っ込んでいるような状況だ。そしてそんな状況でも、この戦争を始めた中枢の思惑を把握できていないんだよ、もうやるしかねぇーだろよ。俺達が」
アイザックは、諦めたように国を亡ぼす道を選んでいた。
「......難しいな。それが愛国心ってやつなのかね」
レオは俯き、掴み所のない思想に共感できぬままその言葉を冷ややに受け入れる。
「まっ、一先ずそれはいいとして。一応聞いておこうとは思うが、俺の威力検証、あの少女の戦いを経てどこまでわかったんだ?」
そのことについては、アイザックの背後にいたクライネが口を静かに開く。
「......具体的な事は特にはなにも言えません......。現象だけをみれば、いわゆるディスパーダ生体個体における特有の再生活動だとも言えますが、詳しいことは専用の施設で調べる必要があるかなと。なにせあのレイシス教会の中枢、枢爵達が直属の部隊を運用してまで確保しようとした程です、レオさんの体には他にも何か秘密があるのかもしれません……、あとソレイスのことも」
クライネは率直にそう答えた。
「そうか、人よりちょっと丈夫......。ということで終わってくれるといいんだけど......。ソレイスに関してもよくわかんねぇしよ。それにしても、いつから俺はそいつらに、知られ、目をつけられていたんだかね......」
レオはそう返答をすると、寝台から立ち上がった。まるで、体に傷などあったことがないかのように。